ケーススタディ •  2025/01/29

ユートリシャ™Nで農業の未来を拓く――ヤマザキライスの挑戦と成果

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Kazuhiro

埼玉県杉戸町で約110ヘクタールの水田を運営するヤマザキライスが、効率化と環境保全を追求する中で選んだのがバイオスティミュラント資材「ユートリシャ™N」です。この革新的な技術は、節水型DDSR(乾田直播水稲栽培)のような水使用を抑えた栽培方法と組み合わせることで、生育ムラの解消や収量の向上を可能にしました。さらに、作業効率の劇的な向上とコスト削減を実現し、農業の新たな可能性を切り開いています。今回は、ヤマザキライスの代表取締役である山﨑能央氏に、「ユートリシャ™N」導入の背景、効果、そして未来への展望について伺いました。

 

【プロフィール】

・ヤマザキライス 山﨑能央さん

・埼玉県杉戸町

・コメのほか、子実用トウモロコシなどを生産する。圃場面積は110ha。各種データやスマート農業等の積極的な活用を通じて、コスト削減と利益率向上を日々追及している。

 

 稲作の革新技術『節水型DDSR』への挑戦

節水型DDSRの圃場の様子

 

 

 

ヤマザキライスでは2022年から水をほとんど使わない節水型DDSR(Dry Direct Seeding Rice=乾田直播水稲栽培)を導入しています。播種直後と初期成長期、分げつ期など、植物が本当に必要とするタイミングにだけ水を与えますが、それ以外の水の使用を徹底的に省くのが特徴です。限られた水資源の活用と労働力削減するための新しい方法を模索する中で出会った栽培方法でした。

通常の水稲栽培では必須となる水管理作業を大幅に省くことができ、労働時間が70%削減されるだけでなく、設備稼働時間も短縮。水資源の節約に加え、圃場の土壌が過度に湿ることを防ぐことで、地力の低下や病害虫の発生も抑制する効果がありました。

乾いた土の上にそのまま播種します

 

課題の生育ムラをユートリシャNで解消

節水型DDSRのような水をほとんど使わない栽培方法では、土壌の性質や栄養分の分布にばらつきが生じ、生育に大きな影響を与えていました。ユートリシャNは空気中の窒素を固定し、断続的に植物に供給するという特性を持っています。これを知ったとき、これ以上ないほど自分たちの栽培方法にマッチすると確信しました。

 

導入後の効果は明確でした。ユートリシャNを使用した圃場では、従来あった生育ムラが解消され、圃場全体で均一に育つようになりました。おかげで収量が平均で8%ほど増加しました。

ユートリシャNの効果は品質にも表れました。埼玉県のような高温地域では、通常品質の劣化が懸念されるのですが、ユートリシャ™Nを使用した圃場では、最後まで穏やかに窒素が効き続けたからか、収穫直前まで葉が緑の状態を保ち、お米の品質の劣化は見られませんでした。

手前がユートリシャNを施用した田んぼ。奥の田んぼと比べて葉色が濃いことがわかります.

 

 

ユートリシャNを効果的に使用するために、散布方法と時期には気を使っています。生育中期に葉面散布を行うのですが、ドローンを使用して効率化を図るとともに、散布液の粒径やドローンの高さ、葉裏までどうやって行き渡らせるかを綿密に計算したうえで散布しています。

時期については、衛星データを活用した圃場モニタリングを取り入れて、作物がいつ窒素を欲しているかを見極めています。気温や湿度などの環境条件も、ユートリシャNの効果を高めるポイントだと思います。

節水型DDSRとユートリシャNが生み出す新たな可能性

節水型DDSRとユートリシャNを組み合わせた新たな水稲栽培技術の登場で、高温や気候変動の影響にも適応できる効率的で持続可能な農業に一歩近づくことができたと感じています。特に窒素肥料の過剰使用による地下水汚染のリスクを減らせることは、環境配慮の観点で重要な点です。

我々は現在110ヘクタール以上の圃場をわずか4人の社員で管理し、完全週休2日制を維持しています。少人数でも大規模な圃場を管理できることで、農業の担い手不足や高齢化の課題解決、ひいては農地の保全につながる可能性もあるでしょう。ユートリシャNが作り上げる農業の未来にワクワクが止まりません。

【取材協力】

埼玉県杉戸町

山﨑能央さん

【ユートリシャNをもっと知りたい方は】