革新的バイオスティミュラント資材「ユートリシャ™N」の活用術
コルテバ・ジャパンが2024年5月に販売開始した「ユートリシャN」。いま全国の生産者から効果を実感する声が上がっています。茨城県で畑作に取り組むクローバー・ファームも収量増に成功した一社です。「農業の未来を支える新たな資材」と評する代表・高橋大希さんに、ユートリシャNの活用法とその効果について詳しく伺いました。
境町では農家同士の連携が強く、宮城県の舞台ファームとの提携による出荷場の建設や、地元産品のブランド化といった新しい取り組みも活発に進められています。さらに、都心まで1時間程度とアクセスが良く、首都圏の大市場も近いことから、競争力のある農業が求められています。
法人化したのは2021年。それまでは個人経営でしたが、上記の地域的な特性もあり、安定した事業運営と従業員の雇用を守るために法人化を決断しました。
栽培作物は水稲、大麦、小麦、大豆、とうもろこしです。収量は県の標準を上回るものもあり、特に小麦は製粉会社との契約栽培を行い、セブンイレブンのパンの原料としても使用されています。また、畜産農家との連携で、とうもろこしを飼料用として出荷しています。「品質が上がれば収量もおのずと上がる」を信条に営農に取り組んでいます。
さらなる収量増を目指しながら、環境負荷の低減にも取り組んでいきたいと考えていたところ、たまたまSNSの広告で目にしたのが「ユートリシャ™N」でした。もともと他社の微生物資材を使用していたこともあり、新たな資材への関心が高まっていたのと、すでに「ユートリシャ™N」を導入している農家が、『品質が向上した』『収量が増加した』と話していたのを聞き、自分の農場でも試してみたいと思いました。
特に、夏場の高温による作物の負担を軽減しながら、窒素供給を最適化できる点に魅力を感じましたね。『空気中から窒素が固定できる』という特徴も、ちょうど肥料が高騰している時期ということもあり、すごく刺さりました。
早速子実用トウモロコシに施用してみたのですが、夏場の暑い時期でも葉色が濃く、茎がしっかりしていて、例年の栽培と比べて明らかに作物が生き生きしている印象を受けました。「ユートリシャ™N」の施用のほかは栽培条件が変わっていないので、窒素の利用効率が向上し、生育に良い影響が出たと見ています。
収量面でも顕著な成果が見られました。例年500kgの収量を目指していた子実用とうもろこしが、「ユートリシャ™N」導入後は650kgまで向上しました。つまり、約1.3倍の増収です。種まき時のトラブルで播種密度が低かったので、その分減収になるかなと思っていたのですが、反対に収量が伸びたのは驚きでしたね。
大豆にも使ってみたのですが、害虫の影響で収量は伸び悩む結果に…。それでも初期生育自体は良好で、栽培管理次第でさらに活用できると感じました。
「ユートリシャ™」は今後、小麦やコメにも使っていく予定です。異常気象や資材の高騰など、課題が山積するいま、これからの農業では収益性と環境負荷低減のバランスを取ることが不可欠だと思っています。「ユートリシャ™N」のような新技術を積極的に取り入れながら、高温などの異常気象にも対応できる持続可能な農業を推進していきたいです。
【取材協力】
茨城県境町
株式会社クローバー・ファーム 代表取締役 高橋大希さん