ケーススタディ •  2019/10/01

国際基準の農業で「農・福連携のまちづくり」に貢献する

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株式会社シグマサポート 就労継続支援A型事業所シグマファームとういん様

 シグマファームとういんは、2015年に設立されたシグマサポートが運営する就労継続支援A型事業所として、障がい者が週5日のペースで農業に従事する、福祉サービス事業所です。開所時、利用者は3名でしたが、現在は13名まで増えています。農地は地域住民から休耕地の提供を受け、三重なばな、サツマイモ、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、ダイコン、オクラなどを栽培しています。同事業所がトランスフォームフロアブルを導入した経緯や、その効果について、事業所の運営全般を担当する大西順子さんにお話しいただきました。

・株式会社シグマサポート 就労継続支援A型事業所シグマファームとういん

・所在地:三重県員弁郡東員町

・栽培面積:3.3ha

・事業内容:2015年4月開所。障がいのある方を雇用し、年間を通じて露地栽培作物の生産に取り組む。現在、利用者13名とスタッフ7名で運営。2019年1月、福祉事業所としては稀な取り組みとしてグローバルGAP(Good Agriculture Practice、適正農業規範)認証を取得。

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「農・福連携のまちづくり」に貢献

シグマファームの特徴の一つは、「農・福連携」です。野菜の栽培を通して、障がいがある方が社会にはばたくきっかけをつかむことを目的としています。農作業を通じて、利用者の皆さんに、コミュニケーション能力や協調性、仕事へのやりがい、体力といった、社会人としての大切な要素を醸成することをサポートします。

 

 障がい者雇用の農業は、一般的にはビニールハウスなどの施設栽培が多いのですが、当ファームではあえて露地栽培で働いていただいています。露地栽培は季節や天候に左右されますが、トラクターなどの機械操作、種まきから収穫・出荷まで、利用者はさまざまな仕事を経験できます。
 春〜秋にはカボチャ、サツマイモ、オクラなど、夏〜冬にはブロッコリー、ニンジン、ダイコン、なばななど、秋〜春にはタマネギなどを栽培しています。利用者は一生懸命に働いています。「障がい者だから無理じゃないか」といった先入観、固定観念は不要です。

 

 ファームの土壌は粘土質の赤土で作物が作りにくい半面、野菜に甘みが出るのが特色です。地元JA(農協)などの力を借りながら、土壌の改良を進めています。収穫した野菜は、JAや契約企業に出荷するほか、朝どり野菜の無人販売も行っています。さらには、地元のお祭りやイベントなどで野菜を販売したり、子どもたち向けに農業体験会などを開催することで、地域との交流を深めています。

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グローバルGAP獲得でPRを強化

2019年1月、三重県の伝統野菜である「なばな」でグローバルGAPを取得しました。これは、国際的な第三者認証の農業規格です。取得のためには、農作物の安全、労働者の安全、環境への配慮という3点で基準を満たしていると証明される必要があります。前年7月に取得に向けた取り組みを始め、環境整備、リスクアセスメントや従業員教育を進めました。

 

 ファームの周辺には休耕地が多く、そこから害虫が侵入します。農薬の使用は不可欠です。グローバルGAPでも薬剤のローテーションによる継続使用を推奨されています。そこで、トランスフォームを採用しました。使用しての印象は、とにかく「効きが早い」ということです。使用後、数十分で効果が出たのには驚きました。粉末状の剤よりも使いやすく、希釈しやすいのも利点だと思います。利用者を指導して散布してもらうこともありますが、使用法が分かりやすく、安全に作業できますね。環境に配慮しつつ、害虫の抵抗性を生じさせないという狙い通りの結果が出ています。

 

消費者の皆さんには、こうしたグローバルGAP基準の農法によって栽培された、新鮮な野菜のおいしさをもっと知ってほしいですね。なばなは「苦い」というイメージがあると思いますが、食べていただくと「甘い」ことがご理解いただけると思います。グローバルGAP基準の農法は、他の作物にも順次、取り入れていきたいと思っています。

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(動画) 三重県の伝統野菜である「なばな」などを栽培されているシグマファームとういん様に、「農・福連携」の栽培について伺いました。

(プロフィール)

大西 順子(おおにし じゅんこ)

近畿大学農学部農学科出身

卒業後、農家や家庭菜園の指導、種苗の販売の仕事などに従事。2016年6月、株式会社シグマサポート入社、現在に至る。事業所の運営全般、GAP取得プロジェクトリーダー、農の雇用事業指導者などを担当。

 

【取材協力 : シグマファームとういん】

【トランスフォームをもっと知りたいかたは】

【一般社団法人GAP普及推進機構】